イシューを生きる行政書士——理念をかたちにする見積書づくり
行政書士の仕事は、書類をつくることだけではありません。
一つひとつの業務の背景には、その人や法人の“理念”があります。
今回は、あるお客様との出会いを通して感じた「理念をかたちにする見積書づくり」について書きました。
イシューとは?
「イシュー」とは、「本当に解くべき問い」や「向き合う価値のある課題」のことを指します。
ただ目の前の作業をこなすのではなく、
その仕事が“なぜ大切なのか”を見つめ直すための視点です。
安宅和人氏の著書『イシューからはじめよ』では、
この“正しい問いを立てる力”こそが、価値ある仕事の出発点だと説かれています。
数字の裏側にある「想い」
「見積書を作る」——
それは一見、数字を並べて提出するだけの単純な事務作業に見えます。
けれども、私はそこに“魂”を込めることができると思っています。
先日、あるお客様とお話しする機会がありました。
その方は、自閉症の方々の支援を長く続けてこられ、
「強制ではなく、信頼の中で自発性を引き出す支援」を理念に掲げておられます。
支援とは何か、関わるとはどういうことか。
その言葉には、深い経験と信念がありました。
理念を制度の言葉にするということ
お打ち合わせの後、私は改めて考えました。
——この理念をどうすれば制度の言葉に落とし込み、
現場で持続可能な形にできるのか。
そこで思い出したのが『イシューからはじめよ』(安宅和人著)です。
この本には「本当に取り組むべき課題(イシュー)を見極めること」こそが
価値ある仕事の出発点だと書かれています。
「イシューを生きる」仕事のあり方
今回の見積書づくりは、まさにその「イシューを見つめる」時間でした。
数字や項目を並べることよりも、
お客様の理念をどう現実の仕組みへと翻訳していくか。
それを考え抜くことが、行政書士としての私の役割だと感じています。
制度や報酬の枠を超えて、理念をかたちにする。
——それが、私にとっての“イシューを生きる”ということです。
結びに
見積書は、単なる金額提示のための書類ではなく、
お客様との信頼をかたちにする一枚でもあります。
これからも、目の前の数字の向こうにある“理念”を大切にしながら、
一つひとつの仕事に心を込めて取り組んでいきたいと思います。
読書ノートより
今回の記事を書くきっかけとなった一冊をご紹介します。
仕事や支援に向き合う方に、ぜひ読んでほしい本です。
※以下には、私が実際に読んで心に残った本へのアフィリエイトリンクを含みます。
どなたかの学びや気づきにつながれば幸いです。
『イシューからはじめよ』安宅和人 著(英治出版)
“本当に解くべき課題(イシュー)”を見極めることで、
仕事の意味と価値がまったく違って見えてくる——。
福祉や教育に携わる方にも深い示唆を与えてくれる一冊です。
イシューからはじめよ[改訂版] 知的生産の「シンプルな本質」 [ 安宅和人 ]
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投稿者プロフィール

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障がいのある方やご家族が、制度の壁に悩まず、
必要な支援をきちんと受けられるように。
そして、現場で支える障害福祉事業者の方々が、
制度の運用や加算対応に悩まず、安心して本来の支援に専念できるように
行政書士として、制度理解・書類作成・運営体制整備まで丁寧にサポートしています。
「どこに相談したらいいか分からない」「書類が難しくて進まない」
そんなときこそ、お気軽にご相談ください。
専門用語を使わず、やさしく丁寧にご説明します。
ー障害・児童福祉サポート行政書士 武藤久美子ー
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